☆問い
当社は、A社に商品を売り、A社はその商品をB社に転売した後で、経営に行き詰まり、裁判所に自己破産申請を出して倒産してしまいました。B社に問い合わせたところ、まだA社に売買代金を支払っていないということです。売買代金を回収する方法はないのでしょうか。
☆答え
このところバブル崩壊の余波で道内でも大型の倒産が続いております。そのため商品を売り渡し、まだ代金を回収しないうちに倒産され、回収が困難になるというご質問のケースが増えております。このような場合、売った商品がまだA社に残っていれば、A社の承諾を得て、その商品を引揚げるなどの方法が取れますが、本問のように既に転売されてしまい、商品がA社に残っていない場合には、この方法は取れませんそこで活用されるのが商品(動産)売買代金の先取特権です(民法第311条6号)。この権利は、担保物権ですので、他の債権者に優先して回収をはかることができるのです。そして、本問のように商品が転売されている場合には物上代位といって、A社のB社に対する売買代金債権を直接押えることができるのです。具体的な方法としてはA社を債務者(A社が既に破産している場でも可能で、その場合には破産者となり、破産管財人が相手となる)、B社を第三債務者として、この両社に対し、債権差押命令を出すよう地方裁判所の債権執行係に申立てます。裁判所では、その商品が間違いなくA社からB社に転売されていることさえ証明できれば、差押命令を出し、これによりA社がB社に代金の取立をすることも、B社がA社に支払うことも禁じられます。また、差押命令申立と同時にB社に対し、陳述の催告という申立もしておくと、B社は2週間以内に裁判所に差押えた債権があるか否か、弁済の意思はあるか否かなどを回答しなければなりません。そして、民事執行法によれば、差押命令がA社に送達された日から1週間を経過したときは、B社から債権を取立てることができるとされています(第155条)。ですから前述の回答書に弁済の意思があるとされていればB社と交渉して支払ってもらい、支払を受けたときは裁判所にその旨の届出をすればよいのです。もし、B社で支払を拒否するようなことがあれば、債権の転付命令あるいは取立命令を別に取って強制執行しなければなりません。
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